贖罪とサンカル

現在渋谷オーディトリアムで開催のシネ・マレーシア。
おととい土曜日は『クアラルンプールの夜明け』&『サンカル』見ました。

『クアラルンプールの夜明け』は原題が『Redemtion Night』(贖罪の夜)。
作品を見ていくと、この「贖罪」の意味がなんとなく解けてきます。
プロデューサーの利恵さんが舞台あいさつで、「異国マレーシアに迷い込んだ主人公の心情を表現するため、日本語字幕をわざと少なくしている」って解説されていましたが、なるほど納得です。で、この謎解きに出てくる主人公タツミの弟からの手紙にイスラム教の一節がアラビア語でも表現されています。撮影のとき、日本ロケの台本見て、ページ数が少ないことに驚き、まず細井監督が演者に対して、重要なシーンの撮影前に、そのときこのキャラクターだったらどう感情表現していくのか?ってディスカッションして煮詰めていくところを見て、すごい人だなーって思いました。
そして、、、小道具の手紙のアラビア語に萌えた(#^.^#)
なにを隠そう、わたしは本当はアラビア語を勉強して中東で仕事をするのが夢でした。そのために、うちは貧乏だったので、まず働きながらお金をためつつ英語を日本で学んだ後、カイロの大学に行くのが目標だったのです。そのあと、なぜだか台湾華僑の商社に入って中国語を勉強しつつ、老闆のサポートで日本の大学に行かせてもらうことになり、、今に至るわけですが・・・。
マレーシアは東南アジアですが、マレー人はイスラム教徒が多いので、イスラム文化とも無縁でなく、そんなことでまたこれも縁かな〜としみじみ思った次第(本作品でもモスクが出てきます)。
さて話は脱線しましたが、この作品の特徴は、見る者に解釈させるところ、そしてストーリーのパーツパーツが哲学的である、ここに非常に惹かれます。とはいっても難しい内容かと構える必要は全くなし。自然体で見ていけば、誰でもわかるストーリー仕立てになっていると思います。というわけで、これ以上のコメントは野暮なのでストップ(^_^;)


さて今回すごいゲストが来日しています。2009年、マレーシアを代表するヤスミン・アフマド監督が若くして急逝されました。その作品に出演しているSharifah Amaniさんが来日しているのです。彼女は『クアラルンプールの夜明け』の主演の一人。しかも彼女が監督した短編『サンカル』も、『クアラルンプールの夜明け』上映後に公開されます。
わたしが見たときは機材トラブルだったのかな?日本語字幕が出なくて、唯一出ている英語字幕を頼りましたが、英語読めないお客さんはちょっと残念でしたね・・・・。土曜日はシンポジウムがあって、日本語字幕でなかった分『サンカル』の解説もされていましたが、わたしは『サンカル』(マレー語)の意味が知りたかった(ToT) あとでスタッフさんに意味、聞きましたが・・・・。
なるほど・・・、意味はホームページとかで載せると面白みが欠けてしまうだろうし、納得。次回はQ&Aがあるそうなので、もしそのときに意味の解説が無かったら、どうかSharifahさんに質問するか、帰り際にスタッフさんにでも聞いてみてください。でも、作品上映前には聞かないほうがいいかも :p そしてもし映画祭の主催者さんが許す範囲で、家宝のためにSharifahさんと写真撮らせてもらったりサインもらったりお話しさせていただけたらラッキーですね。そこが映画祭の素晴らしいところなので。

この両作品は次回は5月28日火曜日15:50から上映です。平日だからお仕事ある方は難しいかと思いますが、もしお時間のある方は是非行ってみて下さいね。

http://cinemalaysia.com/redemption-night/